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a. 治療について

 この菌は一度、皮膚・毛に取りつくと簡単には治らず、保菌者になってしまう事が多いのです。
 根気よく検査と治療を受けて下さい。

1.ブラシ検査で陰性の場合:頭髪には菌はいません。体部白癬(タムシ)があれば、きちんと治療してください。

【ブラシ検査陰性で、体部白癬(タムシ)の場合】
早期にきちんと治しておくことが大切です。放置すると菌が頭髪の中に入ってしまい、保菌者になってしまいます。
■正しい診断を受けること
診察時には医師に「格闘技をやっているので、タムシかどうか調べて欲しい」と言ってください。症状が普通のタムシ
と違うので、専門医でも誤診することが多いのです。誤診されてステロイド剤を処方されると、さらに重症化します。
皮膚科を受診する場合は、前もって電話で「貴院はトンズランスの培養検査をしていますか?」と聞いてから受診して
下さい。
■外用薬を使用する場合
1日2回、広めに薄くのばして、1ヶ月間塗ってください。1週間くらいで症状は消失しますが、途中でやめないで
1ヶ月間塗ってください。途中でやめると必ず再発します。患部は石鹸でよく洗って清潔に保ってください。爪は短
く切り、患部を掻かないようにしてください。薬の代金が高いので、病院での受診をお勧めします。
また、外用抗真菌剤は、1~3%くらいの割合で”かぶれ”の副作用があります。元の症状より悪化した場合は、医師の
診断を受けて下さい。

2.ブラシ検査で陽性の場合:頭部に全く症状が無くても、頭髪に菌が寄生している可能性が高いです。原則として内服治療を受けて
ください。

 ただし、培養集落が2以下の菌数の少ない症例は、抗真菌剤入りシャンプーで様子をみてもよいと思います。
3集落以上の症例は内服治療を受けましょう。
【頭部白癬の治療】
最近”フケが増えた”、”頭が痒い”、”部分的にかさぶたが出る”という人は、ブラシに検査が必要です。
■菌量がブラシ検査で2集落以下の人
抗真菌剤入りのフルフルシャンプー(持田製薬、※大きな薬局などで市販されています。リンスは無効)を毎日、3ヶ月
間使用してください。また3ヶ月後に必ずブラシ検査を受けてください。
■菌量がブラシ検査で3集落以上の人
病院を受診して内服治療を受けてください。また、下記の薬は頭部白癬の保険適用はありません。
-内服の種類-(体重60~70㎏あたりのおおよその目安です。症状の程度によって内服期間は変わります)
a.イトリゾールの場合:400㎎/日を1週間内服
b.ラミシールの場合:125㎎/日を6週間、または4錠(500㎎)/日を1週間(朝食後2錠、夕食後2錠です。
胃が荒れた時は、2~3日休薬してください。)
c.ネイリンの場合:1日1回1錠を4~6週間内服
菌が消えたかどうか、3ヶ月後にブラシ検査を受けてください。陽性の場合、もう一度同じ治療を受けてください。
団体スポーツ部内では全員で同じ検査・治療をしないと意味がありません。

b. 予防について

-予防の方法-
1.掃除・・・練習場・自分の部屋は毎日よく掃除をしましょう。菌を含んだ抜け毛・アカは半年間生存します。
  電気掃除機の使用を勧めます。
2.洗濯・・・練習着はよく洗濯しましょう。練習着に菌が付着しています。
3.シャワー・・・練習直後にシャワー・入浴をし、石鹸でできるだけ早く丹念に頭と体を洗いましょう。
4.処置・・・疑わしい病変は、すみやかに適切な処置を受けましょう。
5.治療・・・部員内・家族内で同じ症状の人がいたら、早めに治療するように勧めましょう。
6.ボディチェック・・・試合、練習前に入念にボディチェックをして、皮疹のある者は休ませましょう。
  部内にタムシ系(感染経験者)を決めて、発症状況や治療をしているか調べるようにしてください。
7.内服治療・・・頭髪の保菌者は治療費がかかりますが、必ず内服治療を受けてください。

-感染をくいとめ、誤診で重症化しないために-

欧米から持ち込まれた T.tonsurans という新しい水虫菌が国内で流行しています。感染力が強いこの菌は、保菌者を診断し治療しないとますます広がっていきます。現在では、格闘技を愛好する選手たちから中学・小学生にまで感染し、また競技者から家族や友人に感染する例も増えています。また、この菌に詳しくない皮膚科医にかかると誤診されてステロイド剤を処方されることもあり、さらに重症化します。皮膚科を受診する場合は、前もって電話で「貴院はトンズランスの培養検査をしていますか?」と聞いてから受診して下さい。

菌の感染・流行をくいとめるため、皆様のご協力をお願い申し上げます。   T.tonsurans 感染症研究会 比留間 政太郎

 
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