所長ご挨拶
皮膚真菌症は皮膚科の日常診療で10人に1人を占めており重要な疾患である。しかし、医学部教育において皮膚真菌症については基礎領域での実習は皆無に近く、わずかに皮膚科学講義で1単位講義が行われているのみである。
日本の大学病院の皮膚科をみても十分な実習が行われているとは言い難い。
2013年私どもはお茶の水に「お茶の水真菌アレルギー研究所」を設立した。本郷研究室の設備は真菌の分離・同定用の180 cmの実験台、顕微鏡、クリーンベンチ、フラン器、接写台、10数人が会議出来る机と椅子などである。
微生物の研究では1,000種以上の菌のDNAを網羅的に解析できる装置が開発されているが、若い皮膚科医が実際に真菌を手に取って勉強する機会は減っている。私どもはこの研究所において1人でも2人でも皮膚真菌症に興味を持って頂き、真菌培養・同定・臨床診断ができる医師が増えるように努力します。
また、2018年当研究室は手狭になったため、日高研究室に移転し、東京の研究室は主に研究打ち合わせに使用している。